ロシアの柔術?謎の格闘技サンボについて解説してみた
25.04.04

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格闘技といえば、空手や柔道、ボクシングが思い浮かぶ方も多いでしょう。
しかし近年、格闘技ファンの間で注目を集めているのが「ブラジリアン柔術」と「サンボ」。一見すると似ている両者ですが、そのルーツや戦術には驚くほどの違いがあります。
今回は、日本ではまだあまり知られていない「サンボ」について深掘りしつつ、ブラジリアン柔術との違いや共通点、どちらが実戦で強いのか?といった点まで、わかりやすく解説していきます。

サンボとは?ロシア生まれの実戦格闘術
「サンボ(SAMBO)」は、旧ソ連で生まれた実戦型の格闘技。
語源はロシア語の「サモザシータ・ベズ・オルージア(武器を持たない自己防衛)」の略で、1930年代に軍隊や警察の近接戦闘術として開発されました。

サンボの特徴
• 投げ技・関節技・寝技の三拍子が揃う総合格闘技
• 競技用と実戦用(コンバットサンボ)の2種類が存在

▲スポーツサンボ(競技)
▼コンバットサンボ(実践)

• 柔道やレスリング、さらには民族格闘技をベースに体系化
• コンバットサンボでは打撃(パンチ・キック)も使用可能
とくに「足関節技」が得意とされ、外掛けやカニバサミなど危険性の高い技が公認されているのが大きな特徴です。
ブラジリアン柔術とは?寝技の王者、その進化の軌跡
一方のブラジリアン柔術は、柔道をルーツにブラジルで独自進化した格闘技。
グレイシー一族によって体系化され、打撃なしでの寝技・関節技・ポジショニングに特化したスタイルが特徴です。
ブラジリアン柔術の特徴
• 相手を極める「サブミッション」に重きを置く
• ポジショニングによるポイント制(試合は制圧重視)
• 技術体系が非常に細かく、初心者にも学びやすい
• 世界中に愛好者が多く、フィットネスや護身術としても人気
特に「下から極める」技術に優れており、柔道とは対照的に寝技が主役の格闘技として発展しました。
技術比較:ブラジリアン柔術 vs サンボ
項目 | ブラジリアン柔術 | サンボ |
発祥 | ブラジル | ロシア |
ベース | 柔道 | 柔道+レスリング+民族武術 |
主な技術 | 寝技・関節技・絞め技 | 投げ技・足関節技・打撃(コンバットサンボのみ) |
ユニフォーム | 柔術着 | ジャケット+ショーツ+シューズ |
競技性 | ポイント/極めによる1本 | ポイント/投げと極めによる1本 |
禁止技 | 外掛けNG・カニバサミNG 絞め技OK | 外掛けOK・カニバサミOK 絞め技NG |
柔術は「絞め技」に優れ、ポジショニング重視の戦術。
一方サンボは「投げ+極め」そして「速さと爆発力」が鍵。
競技スタイルも道着やルールによって大きく異なります。
実戦ではどちらが強い?UFCでも注目の融合
総合格闘技(MMA)の舞台では、両者の融合スタイルが台頭しています。
実際、サンボ出身の選手(ヒョードルやハビブ・ヌルマゴメドフ)や、柔術ベースの選手(ホイス・グレイシーやチャールズ・オリベイラ)はどちらもUFC王者として実績を残しています。
• 柔術の強み:下(ガードポジション)からの極め・絞め技
• サンボの強み:足関節技・タックル・打撃融合
特にハビブのように柔道の投げ+レスリングの圧力+サンボの足関節を融合させたスタイルは、現代MMAでも脅威とされています。
柔術家がサンボを学ぶ意義とは?
近年では、柔術家が「足関節技」や「投げ技」強化のためにサンボを取り入れるケースも増えています。逆に、サンボ選手が柔術アカデミーで寝技を学ぶ例も少なくありません。
つまり、どちらが上というよりも、お互いの長所を補完し合う存在と捉えるのが現代的な視点です。
まとめ:ブラジリアン柔術とサンボ、あなたはどっち派?
「柔よく剛を制す」の柔術に対し、「実戦で勝つための融合格闘技」がサンボ。
ルーツもスタイルも異なる両者ですが、どちらも身体一つで相手を制する知性の格闘技です。
自分に合ったスタイルを選ぶのもよし。
どちらも学んでハイブリッドな戦闘スタイルを目指すのも良し。
現代格闘技の進化は、「ブラジリアン柔術」と「サンボ」から、ますます目が離せません!

