【BJJ】「ガチスパー問題」ラフスパーはダメゼッタイ!ライトスパーの使い分け
25.04.18

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柔術のスパーリング強度、正解はひとつじゃない
ブラジリアン柔術においてスパーリング(乱取り)は、技術を実践で試す最も重要な時間です。
しかしその「強度」には正解があるわけではなく、道場によって、個人によって、その温度感はさまざま。
「ガチスパ」「ライトスパー」「ラフスパー」という言葉が使われることもあり、時にその認識の違いがトラブルの原因になることもあります。
本記事では、それぞれのスタイルの特徴と目的を整理しつつ、年齢・性別・目的別に最適なスパーリングの在り方を提案します。

ガチスパ:実力を引き出し、技術を磨く“本気”の練習
ガチスパとは?
いわゆる“ガチ”で行うスパーリング。全力で技をかけ合い、実戦さながらのテンションで組み合います。
メリット
• 試合を想定した実践的な動きができる
• プレッシャー下で技の精度を試せる
• 自分の現在地(実力)を客観視できる
注意点
• 毎回やると疲労やケガのリスクが高まる
• 相手のレベルや体格差を考慮せずにやると危険
• 出力の温度差でギクシャクすることも
「全力でやってこそ柔術だ」という価値観も根強いですが、重要なのは“目的に応じて強度を調整できるかどうか”。
ただ闇雲に力を出すのではなく、自分や相手の状態、試合の有無、技術習得のフェーズなどを加味してガチスパを取り入れることが大切です。
ライトスパー:ケガなく、長く、楽しく柔術を続けるために
ライトスパーとは?
出力を落とし、ゆったりとしたテンポで技のやり取りを楽しむスタイル。
勝敗にこだわらず、技の確認や反復練習が主な目的です。
メリット
• ケガのリスクが大幅に下がる
• 新しい技や苦手な動きの練習に最適
• 試合志向でない柔術家にとってはちょうど良いテンション
誤解されがちな点
ライトスパーは「ぬるい」「意味がない」と見られがちですが、実際には力の抜き方、脱力状態でのコントロール、技の精度など、本質的な技術力が求められます。
特に健康目的や趣味として柔術を続けている層にとっては、継続する上で最も理にかなったスタイルとも言えます。
ラフスパー:避けるべき危険なスタイル
ラフスパーとは?
• 無理な力技
• 相手にタップさせる間を与えない
• 技術ではなくパワーで押し切る
このような“荒い”スパーリングを指します。
特に帯の浅い人が経験者と組んだときに「力しか頼れない」状態になりやすく、無自覚なラフスパーになるケースも少なくありません。
ラフスパーの弊害
• 相手との信頼関係を損なう
• 技術向上が望めない
• ケガのリスクが極端に高くなる
どれだけ強くなっても、ラフスパーを繰り返す限り柔術家としての評価は上がりません。
むしろ、相手の動きを尊重し、コントロールできる余裕こそが“技術”です。
女性やキッズとのスパーリングではライトが基本
出力のコントロール=思いやり
女性やキッズとのスパーリングでは、ライトスパーリングが基本です。
特にフィジカル差のある女性、まだ身体が発展途上にある子どもに対しては、相手の安心感を最優先に考える必要があります。
女性とのスパーで大事なこと
• 圧をかけすぎない(出力やプレッシャーを抑える)
• スキンシップが多くなる柔術ならではの距離感を意識する
• 相手の目的(試合志向か、楽しみたいだけか)を汲み取る
キッズとのスパーで大事なこと
• 成長中の大事な身体を守る
• 勝ち負けより「成功体験」を与える
• ゲーム感覚やテンポを意識して飽きさせない
柔術を広めていくうえで、女性やキッズの存在は欠かせません。
彼らが「楽しい」「またやりたい」と思える環境づくりは、私たち大人柔術家の責任でもあります。
スパーリング強度の“すり合わせ”が信頼関係をつくる
結局のところ、どの強度であっても大切なのは「事前のすり合わせ」です。
相手がどういうつもりでスパーに入っているのか。
自分はどういう目的で動きたいのか。
それを数秒でいいから言葉で伝えるだけで、お互いにとって意味のある練習になります。
一言で変わる練習の質
• 「今日は軽めでいきましょう」
• 「試合前なので少しテンション上げたいです」
• 「この技を試したいので協力してください」
こうしたコミュニケーションを習慣化すれば、スパーリングの強度トラブルはぐっと減り、技術向上に集中できる環境が生まれます。
まとめ:自分と相手に合った強度が“最適”なスパーリング
柔術において「全員がガチでやるべき」なんてことはありません。
むしろ、自分や相手の目的・状況・背景を踏まえて強度を調整できる人こそ、成熟した柔術家と言えるでしょう。
• 試合での勝利を目指すならガチスパを活かす
• 長く柔術を続けたいならライトスパーを取り入れる
• 相手を尊重できないラフスパーは卒業する
柔術の目的は「上達」だけでなく、「続けること」「楽しむこと」でもあります。
そのために、自分にとってちょうどいいスパーリングの強度を見つけていきましょう。

