柔術スパー前の挨拶「スラップ&フィストバンプ」とは?その意味と起源

25.05.04

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柔術のマットで交わされる挨拶

ブラジリアン柔術のスパーリング前、道場でよく見かけるジェスチャー──

手のひらを軽く叩き合い(スラップ)、続いて拳を合わせる(フィストバンプ)。

この一連の動作は「スラップ&フィストバンプ」と呼ばれ、柔術の文化として世界中の道場で受け継がれています。

単なる挨拶のようでいて、そこには柔術ならではの精神性が込められています。

スラップ&フィストバンプの意味とは?

この挨拶は、対戦相手への敬意、信頼、そしてスパーを通じた共同作業への同意を示すものです。

手のひらを合わせることでお互いの存在を確認し、「これから始めますよ」という合図になると同時に、拳を軽く合わせることで「お互いに安全に、楽しくやりましょう」という無言の約束を交わしています。

とくに、技術レベルに差がある相手や初対面の相手と組む場合、こうした簡素で分かりやすい挨拶があることで、スパーリングの空気が和らぎます。

起源はリオのサーフカルチャー

この挨拶のルーツとして有力なのが、1990年代のリオデジャネイロのサーファー文化です。

当時、若いサーファーたちは仲間同士の間で「スラップ&フィストバンプ」を交わすのが当たり前の挨拶でした。

そして、サーフィンと柔術はリオの若者文化の中で深くつながっており、両方を嗜む人々が自然とこの挨拶をマット上でも行うようになったとされています。

柔術家の中には、「サーフボードの上」と「マットの上」を同じ“フィールド”として捉える者も多く、こうした自由でフラットな文化が柔術の礼儀作法にも影響を与えたのです。

道場文化としての定着

やがてこの挨拶は、柔術家の間で暗黙の了解のように定着しました。

スパー前にスラップ&フィストバンプをしないと、むしろ「何か不自然だ」と感じるほど、習慣化されています。

これは形式的なルールではなく、あくまでマット上の「信頼関係の確認作業」のようなものです。

特筆すべきは、この挨拶が帯の色や年齢、国籍を問わず世界中の柔術家の間で自然に共有されている点です。

柔術が国際化していく中でも、この小さな儀式がグローバルな共通言語となっているのは非常に興味深い現象です。

礼儀ではなく、文化そのもの

武道においては、礼に始まり礼に終わるといいますが、柔術のスラップ&フィストバンプもまた、それに通じる所作です。

ただし、ここで重要なのは、それが「形としての礼儀」ではなく、仲間として一緒に技術を試し合うという“協働的な戦い”の前提である点です。

相手をリスペクトしながらも、自分の技術を存分に出し合える空気をつくるための、現代的な武道の「作法」といえるでしょう。

まとめ:マット上の合図が示す柔術の哲学

スラップ&フィストバンプは、柔術という競技が単なる力比べではなく、協力によって互いを高め合うものであるという哲学を体現しています。

一見すると何気ない動作でも、その背景には深い文化と歴史、そして柔術家同士の思いやりが息づいています。

これから柔術を始める人も、すでに長く続けている人も、この挨拶の意味を理解しながら行うことで、マット上の一瞬一瞬がより豊かなものになるはずです。


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