【柔術上達の決定版】黒帯でも見落とす「レバレッジ」と「戦略的目標設定」の極意とは?

25.12.18

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導入:多くの柔術家が抱える「伸び悩み」の根本原因

ブラジリアン柔術を愛する皆さんは、こんな悩みを抱えていませんか?

・「テクニックを学んでも、なぜかスパーリングで大きな相手に勝てない」

・「試合に勝つための練習と、長期的なスキルアップのバランスが取れない」

・「競技柔術と護身術としての柔術、どちらに集中すべきか分からない」

世界的な柔術家であるラクラン・ジャイルズ氏と、アスリート育成の専門家であるトム・クリック氏が、この根深い問題に真正面から切り込みます。

彼らの対談から見えてきたのは、多くの柔術家が「熱心な練習」の裏側で見落としている、「柔術の本質」と「戦略的な目標設定」の重要性でした。

本記事では、この対談(YouTube動画「The Absolute BJJ Debate: How to navigate your BJJ journey / Part 1」)の内容を深掘りし、あなたの柔術ジャーニーを次のレベルへと引き上げるための3つの核心的な戦略を、徹底解説します。

1. 柔術の「本質」を再定義する:なぜ「一本」だけでは不十分なのか?

長年柔術を続けていると、私たちは「一本を取ること」や「試合に勝つこと」を最終目標としがちです。

しかし、トム氏とラクラン氏は、長期的な柔術の上達において、より包括的な目標を持つ必要があると指摘します。

柔術の究極のゴールは「コントロールとフィニッシュ」

ラクラン氏が定義する柔術の真の成功とは、単に一本を取ることではなく、「相手を完全にコントロールし、ポジションを支配した上で、フィニッシュ(一本)を狙うこと」です。

試合でポイントリードを奪っても、相手の動きを支配できなければ、それは成功とは言えません。

柔術が格闘技として世界に認知されたのは、グレイシー一族が体格差を乗り越えて相手を無力化し、コントロールする能力を示したからです。

この「支配」の感覚こそが、長期的に高い満足感と成長をもたらします。

体格差を覆す核となる概念:「レバレッジ」

柔術の哲学の核心は、ヒクソン・グレイシーの言葉にもある「レバレッジ(テコの原理)」です。

トム氏は、柔術が他のスポーツと決定的に異なる点として、アスリート能力(筋力やスピード)の影響力が小さいことを挙げます。

バスケットボールで背の低い選手が不利になるように、多くのスポーツは身体能力に依存しますが、柔術は技術と構造が体格差を覆します。

レバレッジの実践原則:

 1.相手の強みを最小化するポジションを探す

 2.自分の強みを最大限に活かすポジションを探す

例えば、相手の腕が真っ直ぐに伸びた状態(レバレッジが効いていない状態)を作り出すことで、自分より強い相手に対してもアームロックを仕掛けることが可能になります。

柔術の上達とは、このレバレッジを常に利用できるポジション、構造、タイミングを追求する旅なのです。

2. 上達を阻む「非効率な練習」:あなたがマットで犯している3つの過ち

「一生懸命練習しているのに、なぜか成長が遅い」と感じるなら、それは練習の「質」が柔術の本質から逸脱している可能性があります。

二人は、多くの柔術家が知らず知らずのうちに犯している、上達を妨げる非効率な練習方法を指摘します。

過ち1:消極的な「タップ逃れ」マインドセット

「今日は一本取られなかったから勝ち」というマインドセットは、成長を止める最大の要因です。

成長の停止:

一本逃れを目標にすると、防御に終始し、危険を冒してポジションからエスケープしたり、攻撃を仕掛けたりする機会を自ら放棄してしまいます。

武術としての機能不全:

もしストライク(打撃)が許可された場合、マウントやバックで丸まって防御するだけの行為は、致命的な状況を生み出します。

武術としての柔術を追求するなら、常に「脱出するスキル」と「攻撃に転じる意欲」が必要です。

過ち2:長期的な継続性を損なう「オーバートレーニング」

競技者にとって、練習強度(インテンシティ)は非常に重要な要素ですが、ラクラン氏は自身の経験から、強度の増加と怪我のリスクは指数関数的に高まると説明します。

負荷の非効率性:

100%のインテンシティ(試合レベル)で練習すると、ごく短時間で身体に過負荷がかかり、怪我や極度の疲労(DOMS)につながります。これは毎日継続できるものではありません。

集中力の欠如:

限界の強度でスパーリングすると、体が疲労と反射で動くため、相手のグリップや足の位置といった「なぜ」を考える余裕がなくなります。

結果として、スキル開発に必要な「気づき」が得られず、フィジカルに頼る悪い習慣が定着します。

【解決策としてのペース設定】

普段のスパーリングは、60%~70%のペースに抑えるべきです。

このレベルのインテンシティであれば、技術的なミスや相手の反応に「注意を払う」ことができ、フィジカルに頼らずにレバレッジを追求する訓練が可能になります。

3. 柔術の未来:スポーツと武術の緊張関係をどう乗りこなすか?

近年、柔術はIBJJF、ADCC、EBIなど、多様なルールセットの元で「スポーツ」として進化しています。

この競技化の流れは、柔術を武術として捉える初期の思想との間で、常に緊張関係を生み出しています。

柔術は「ライフスタイルスポーツ」である

トム・クリック氏は、柔術の競技化を、スノーボードやボルダリングといった「ライフスタイルスポーツ」の進化になぞらえます。

 1.初期: 自由や自己防衛といった文化・哲学が中心。

 2.競技化: メダルやプロ化の進展により、勝利のための「構造化されたトレーニング」が必須になる。

 3.緊張: 競技特化型の技術(例:デラヒーバガード、Xガード)が、武術的な文脈(打撃あり)では非効率的になるのではないか、という意見の対立が生まれる。

「スペシャライゼーション」は不可避の流れ

現代の柔術では、キー(道着あり)とノーキー(道着なし)で技術が明確に分かれつつあります。

競技レベルの追求:

ラクラン・ジャイルズ氏は、ADCCに向けてギーを捨て、ノーキーに集中したことが結果につながったように、最高レベルを目指すなら専門化(スペシャライゼーション)は避けられないと示唆します。

しかし、武術としての視点を失うと、競技特化の技術が「柔術の本質(コントロールとレバレッジ)」から乖離するリスクも生じます。

例えば、エディ・ブラボーがストライクを考慮してラバーガードを開発したように、技術の有効性は最終的に「どの状況(ルールセット)で使われるか」で決まります。

【バランスの取り方】

競技を続けることで、「ストレス耐性(アローザルコントロール)」や「技術の確実な応用力」は向上します。

専門化を進める中でも、武術としての「支配とフィニッシュ」という核となる哲学を忘れないことが、柔術家としての長期的な成長を支えます。

4. 長期的な成功のための「戦略的目標設定」ロードマップ

では、この知識をどのように日々の柔術トレーニングに活かすべきでしょうか。

トム氏がコーチングで用いる戦略的な思考法が鍵となります。

馬車から車への進化:最終目的を見据える

トム・クリック氏が使う有名な比喩があります。200年前に馬車の運転で生計を立てていた人が、「馬を操るスキルを極めること」と「生活のために稼ぐこと」のどちらを最終目的にすべきか?

手段(馬車)を目的化すると… 車が発明されたとき、その人は時代に取り残されます。

最終目的(生計を立てる)を見据えると… 飛行機やタクシーといった、新しい「手段」に乗り換える決断ができます。

柔術においても、「このガードスキル」や「あのテクニック」を目的化するのではなく、「柔術を通じて何を達成したいのか(例:世界レベルの黒帯になる、護身術として万全になる)」という最終目的を常に意識することが、練習の方向性を決定づけます。

ラクラン・ジャイルズのADCC戦略に学ぶ「集中」の力

ラクラン・ジャイルズ氏は、トム・クリック氏の助言を受け、ADCCに向けた準備で「戦略的集中」を実践しました。

 1.問いかけ: 「ADCCで勝つために、最も改善の余地がある、または決定打となる要素は何か?」

 2.回答: 「レスリングとレッグロックへのエントリー」

 3.実践: その2点にほぼすべてのエネルギーを集中させ、他の技術をあえて切り捨てる。

この「やるべきこと」を絞り込み、「やらないこと」を決めるプロセスこそが、ハイパフォーマンス達成のためのロードマップです。

【ロードマップの構成要素】

フェーズ目的トレーニングの特徴
スキル開発期新しい技術の習得、基盤構築低〜中強度、新しい技や概念の試行、長期的な視点
競技準備期習得した技術のシャープ化、戦術の確立高強度、レパトリーの固定、試合形式のシミュレーション

常に「競技準備」モードにいると、新しいスキルへの投資が滞ります。年間のトレーニングをこれら二つのフェーズに意図的に分けることが、プログレッシブな上達を可能にします。

まとめ:あなたの柔術ジャーニーを再設計するために

世界トップレベルの議論から、柔術の上達とは、熱意だけでなく「戦略」と「哲学」が必要であることが明確になりました。

1.哲学の再確認:

究極の目標は「コントロールフィニッシュ」であり、その核心はレバレッジの追求にある。

2.練習の質の向上:

消極的な練習を避け、60〜70%の意識的な強度で「なぜ」を考えながら練習し、長期的な継続性を守る。

3.戦略の確立:

最終目的(例:最高の柔術家になること)を明確にし、その達成のために「何をしないか」を決め、エネルギーを集中させる。

この戦略的アプローチこそが、あなたの柔術トレーニングを単なる趣味から、持続的な成長を伴うハイパフォーマンスな旅へと変貌させる鍵となります。


【動画情報】

動画タイトル: 絶対的なBJJ論争:BJJの旅をどう進めるか / パート1(ラクラン・ジャイルズとトム・クリック)

チャンネル名: Absolute MMA St Kilda – Melbourne

動画URL: https://www.youtube.com/watch?v=9NTIVz5CZvQ


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